上映中作品

Cinema at Sea - 巡回映画祭 in 東京

まだ見ぬ映画(せかい)への航海。

太平洋、海をまなざし、海を知る。

 昨年11月、初開催された沖縄初の新たな国際映画祭「Cinema at Sea - 沖縄環太平洋国際映画祭」。マレーシア、オーストラリア、台湾、インドネシアなど様々な地域から集まったコンペティション部門9作品のほか、ハワイ出身の日系監督クリストファー・マコト・ヨギ監督を特集した「Director in forcus」、映画祭プログラマーが選出する「Pacific Islnds ショーケース」、アジア最大のVRデバイスメーカー HTC社と連携するVR体験上映、沖縄未公開の話題作を紹介するスペシャル上映、ビーチでの野外上映など、日本初上映作品を含む、37作品が上映された。

 第一回目の映画祭終了後より多くの反響をいただいた活動の一環として、東京、大阪、沖縄離島、そして台湾東部で昨年度のコンペティション受賞作品を中心とした巡回映画祭を実施します。異なる地域での上映を通じて、地域の文化や価値観を共有し、国際的な映画や文化の交流を深めることを目指しています。


【開催期間】
2024年11月22日(金)~12月5日(木)

【料金】
通常料金
※各種割引・サービスデー 適用可
※各種招待券・株主優待券 使用不可

【チケット販売】
劇場窓口ではご鑑賞日の2日前から、インターネット予約では、ご鑑賞日の2日前から上映の20分前までご予約いただけます。

【上映スケジュール】


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【上映ラインナップ】

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ゴッド・イズ・ア・ウーマン

監督:アンドレス・ペイロ
出演:オロニグディ・キアリ、ライダ・ディアス・デ・プレスタン、デメトリア・プレスタン・ディアス、デメトリアナ・プレスタン・ディアス、シドサギ・イナトイ、セバルド・イナウィナピ、アリステイデス・トゥルパナ、ドゥイレン・ワグア、オルグン・ワグア
脚本:サビーヌ・エミリアニ
撮影:パトリック・トレッシュ、ニコラ・ドサンクタン、サビーヌ・エミリアニ
プロデューサー:アンドレス・ペイロ、ブリウク・ドレアノ、ヨハン・デ・ファリア

2023/86分/パナマ共和国・フランス・スイス/スペイン語・フランス語/FHD/日本語・英語字幕/原題:Dieu est une femme 英題:God Is a Woman
©︎ Pyramide International

 1975年、フランスのアカデミー賞受賞監督ピエール=ドミニク・ゲソーは、女性が神聖な存在であるとされるクナ族のコミュニティを撮影するためにパナマを訪れ、クナ族と一緒に1年間を過ごす。最終的にプロジェクトは資金不足に陥り、フィルムは銀行により差し押さえられてしまう。その約47年後の今、クナ族の中で長老から新しい世代へと語り継がれるほど有名な伝説となっていた "自分たち"のフィルムのコピーが、パリで発見される...。パナマのクナ族が自らの“肖像”を取り戻す営みと、貴重な文化の継承を捉えた感動的なドキュメンタリー。

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BEEの不思議なスペクトラムの世界

監督:ファビアン・ローブリー
出演:エレア・ドゥヴィヴィエス、ユーゴ・ヴェイヤール
脚本:ファビアン・ローブリー
撮影:クロエ・ウティン
プロデューサー:フララ・プロダクションズ

2022/73分/ニューカレドニア/フランス語/FHD/日本語・英語字幕/原題:BEE et le spectre de l'incompréhension 英題:BEE and the Spectrum of Misunderstanding
©︎ Fabien Laubry

 ここ数ヶ月、エレアはISA (ニューカレドニア自閉症専門研究所)のワークショップで出会ったウーゴのエレクトロニッ ク・ミュージックにソフトで儚げな歌声をのせて、 音楽制作に取り組んでいる。 彼女の歌詞には、生き生きとした感情が息づいていて、自閉スペクトラム症である彼女の人生の波乱に満ちた側面を明らかにしている。 神経症という不透明な世界の中で、エレアは一歩一歩、自律に向けて、時に困難な道を歩んでいる。話すことよりも、歌うことが得意な彼女は、一音一音、音楽的飛翔を育み、歌詞に磨きをかけ、「BEE」というステージネームで、アルバムデビューすることを考えている。

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アキコと過ごした八月

監督:クリストファー・マコト・ヨギ
出演:アレックス・チャン・ハンタイ、マスダ・アキコ
脚本:クリストファー・マコト・ヨギ
撮影:ウンス・チョ、ホセ・アスンシオン
プロデューサー:サラ・S・キム

2018/75分/アメリカ/英語・ハワイ語/FHD/日本語字幕/原題:August at Akiko's
©︎ Christopher Makoto Yogi

 夢と現実と記憶の狭間を漂い、独自の時間を刻む神秘的な作品。 スーツケースとサックスだけを持って、世界を飛び回る音楽家、 アレックス・ チャン・ハンタイ (ステージネーム 「ダーティ・ビーチ」「ラスト・リザード」)が、10年近く離れていたハワイ島に帰ってきた。 取り憑かれたように サックスのソロを吹き、物思いにふけりながら散歩する中、アレックスはアキコという女性が経営する仏教徒向けのベッド・アンド・ブレックファストに偶然出くわす。 ハンタイのワイルドなサックスとアキコの梵鐘が、思いがけない新しい友情を取り巻く音の網のように、観客を包み込む豊かなサウンドトラックのベースを形成していく。

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シンプル・マン

監督:クリストファー・マコト・ヨギ
出演:スティーブ・イワモト、コンスタンス・ウー、カナオ・グー、シャネル・アキコ・ヒライ、ティム・チウ、ネルソン・リー
脚本:クリストファー・マコト・ヨギ
撮影:ウンス・ロビン・チョ
プロデューサー:サラ・S(サ・ファ・キム)・キム

2021/100分/アメリカ/英語/FHD/日本語字幕/原題:I Was a Simple Man
©︎ Visit Films

 ハワイのオアフ島ノースショアの田園地帯、死期の近づいた老人に過去の幽霊が訪れる。全4章で構成される本作では、家族の歴史と神話、夢のロジックとシュールレアリスムが入り混じり、父親の死に直面する分裂した家族の時間が万華鏡のように切り替わる。現代ホノルルの高層ビルから第二次世界大戦前のオアフ島の田園風景へ、そして、最終的にはあの世へと観客を導いていく。

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緑の模倣者

監督:ジョン・ユーリン
出演:チャンイン・シエ、ペイジア・ホアン、ゾンフア・ヤン、ハオシアン・シュウ
脚本:ユウリン・チョン
撮影:ヤング・マスター
プロデューサー:ジュリアン・リー、マーク・チェン

2023/83分/台湾/中国語・客家語/FHD/日本語字幕/原題:線金龜的模仿犯 英題:The Mimicry
©︎ Hakka TV

 カオ・イーフェン原作短編小説の映画化。人間の姿に擬態(mimicry)した緑色のコガネムシの物語。緑色の“彼”はアパートに侵入し、人間の行動を観察して模倣していく中で、コンテンポラリー・ダンスの演目で“虫”の動きを擬態する練習をしているダンサーの女性を見つけ、映画はマジカルな展開を見せる。人間と自然の境界が曖昧化する世界観を、台湾の客家語(はっかご)を用いて創り上げた、チャーミングでスタイリッシュなビジュアルセンスが光る作品。

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オキナワより愛を込めて

監督・カメラ・サウンド・編集:砂入博史
出演:石川真生
プロデュース: 砂入博史 + イドレ・バッバイヤー
オーディオ・ミックス :アダム・スコット
サウンド:吉濱翔
字幕:酒見南帆
音楽:アダム・スコット、吉濱翔、米田哲也、北崎幹大、大城修一

2022/101分/日本・アメリカ/日本語・英語/FHD/英題:From Okinawa With Love
early elephant film + 3E Ider © 2023

 1971年11月10日、米軍基地を残したまま、日本復帰を取り決めた沖縄返還協定を巡り、沖縄の世論は過熱していた。ストライキを起こした労働者と、機動隊の衝突は、警察官一人が亡くなる事件に発展した。当時、10代だった石川は、この現場を間近で目撃した。「なんで沖縄にはこんなに基地が多くて、なんでこんなに色んな事件事故が多いんだろう」。同じ沖縄人同士の衝突がきっかけとなり、浮かんできた疑問が、石川を写真家の道に進ませた。
 1975年、米兵を撮るために、石川は友人を頼り、コザ照屋の黒人向けのバーで働き始める。バーで働く女性たちや、黒人たちと共に時間を過ごしながら、日記をつけるように、石川は写真を撮り続けた。
 当時の生活が収められた3冊の写真集「熱き日々 in キャンプハンセン!!」(1982)、「熱き日々 in オキナワ」(2013)、「赤花 アカバナー 沖縄の女」(2017)を手に、およそ半世紀が経った今、当時の記憶を回想する石川。石川自身が「最も大事にしてる写真」と語る作品、そこに納められた人々との物語が語られていく。写真家、石川真生による自由な生き方を肯定する「人間賛歌」が誕生した。

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サバイバル

監督:ロルフ・デ・ヒーア
出演:ナターシャ・ワンガニーン、クレイグ・ベーナ、ゲイリー・ワデル、アーロン・J・マーチ、ベス・メイフィールド、ムワジェミ・フセイン、ディープティ・シャルマ、ビノード・ナイル、コレッタ・オデラ、ミカイル・マッキントッシュ、ローレンス・ジーノ、ウィリアム・コート、デビッド・カヌ、アンドリュー・ジェナー、スレーシュ・ロキニー、アンディ・デイヴィス、ダルサン・シャルマ、ノエル・ウィルトン、トッド・グレイ
脚本:アイザック・リンゼイ
カメラマン: マックス・コーキンデール
プロデューサー:ロルフ・デ・ヒーア、ジュリー・バーン

2022/96分/オーストラリア/FHD/日本語字幕/原題:The Survival of Kindness
©︎ Umbrella Entertainment

 砂漠の真ん中にあるトレーラーの檻の中に置き去りにされた黒人女性が檻から抜け出すところから物語は始まり、生き残ったはずの仲間を探して、砂漠から山、そして都市までを歩いていく。その途上で、“支配者たち”による迫害や暴力の手を掻い潜らねければならない、過酷なサバイバル・ロードムービー。近未来SF的かつ、斬新な視覚的アイディアの演出が見所の作品。監禁された者が過酷なサバイバルを体験するという、『悪い子バビー』(1993)で示されたロルフ・デ・ヒーア監督的モチーフは、本作でも変奏されている。

★11/30(土)・12/1(日) の上映前に当映画祭のエグゼクティブプロデューサーが登壇いたします。

※登壇は19:10~10分程度予定
※予告編の上映なし・登壇後に本編の上映となります